ケバブから革命まで

トルコとぼくの話

トルコ入門(人種と言語編)

トルコってどういう人たちが住んでいるの?

 

今日はトルコに住んでいる多様な人種と使われている言語を紹介しましょう。

 

  • トルコ人

現在7600万人いるトルコの総人口の大半を占めているトルコ人。チュルク系のトルコ語を話す。基本的に1923年にトルコ共和国ができてからは、トルコに生まれた人は人種、宗教に関わらずすべてトルコ人と見なされる。公の場でトルコ語以外の言語を話すことも許されない。トルコは歴史的・地理的に様々な国や地域の文化が交わってきた場所なので、そこに住むトルコ人も肌の色、頭髪の色、目の色も様々。宗教は主にイスラム教スンニ派。

 

トルコに暮らすマイノリティーのうち最大人口を抱える。トルコ全体の人口の15%〜20%ともいわれる。主にクルディスターン地方に含まれるトルコ東部に多い。トルコ語と違って、インド・ヨーロッパ語族ペルシャ語系のクルド語を話す。日本に来るトルコ人の中でもクルド人が占めているウェイトは多い。宗教は様々で、最大宗派はイスラム教スンニ派。他にイスラム教アレヴィー派やキリスト教信者、ユダヤ教信者も多い。トルコ東部を中心に200万人いると言われる、ザザキ語を話すザザ人もクルド人に含まれることも多い。

 

  • アラブ人

主にトルコ南部のシリアやイラク国境付近に20万人〜50万人いると言われている。言語はもちろんセム系のアラビア語を話す。トルコ語とのバイリンガルも多いが、アラビア語しか話せない人も多い。

 

  • ギリシャ人

主にイスタンブール地域を中心に10万人以上いる。宗教はギリシア正教。言語はインド・ヨーロッパ語族のギリシャ語。最近はキプロスを巡る政治問題などでトルコを離れるギリシャ人も増えている。

 

  • チェルケス人

主に1864年のロシアによるチェルケス虐殺から逃れてきたチェルケス人の子孫。トルコ人との混血も多く、人口は13万〜200万人いるとも言われている。宗教はイスラム教ハナフィー学派のスンニ派がほとんど。言語は北西カフカス諸語のアディゲ語を話す。

 

トルコ全体で7万人くらいいると言われている。宗教は主にキリスト系のアルメニア教会。言語はインド・ヨーロッパ語族の単一で語派を形成するアルメニア語の西方言を話す。第一次世界大戦中の1915年のアルメニア人虐殺でアルメニア人の大半が亡命してしまったので、トルコ国内に残ったアルメニア人は激減してしまった。トルコ初代大統領アタテュルクが作ったトルコ語の最初の語源辞典を作ったり、最初のトルコ語新聞を作ったり、アルメニア人はトルコ語の発展に多大な貢献をしてきた。また、トルコ国内のアルメニア人は政治参加に積極的で、1921年に出来たトルコ共産党の主な創設メンバーにアルメニア人が複数関わっている。

 

主にイスタンブールや地中海沿岸地域を中心に7万人くらい暮らしている。15世紀のスペイン王国によるユダヤ人追放政策で逃げてきた、スペイン系やポルトガル系のユダヤ人が大半。宗教はもちろんユダヤ教で、言語はスペイン語化したヘブライ語の一種ラディーノ語を話す。20世紀のホロコースト以降トルコに亡命してきた大学教授や文化人の子孫もいる。トルコに亡命してきたユダヤ人のおかげでトルコのアカデミズムは飛躍的に発展を遂げた。

 

 

以上がトルコの主な人種と言語でした!